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岩手大学農学部Faculty of Agriculture, Iwate University
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農業経営・経済学分野

農学生命課程で唯一の社会科学的アプローチにより、農業問題や食料・環境問題に対して真正面から取り組み、広く生物産業の発展のための戦略を考えます。

教授:佐藤 和憲(さとう かずのり)

研究内容

農産物・食品流通の動向分析及び産地のマーケティング戦略策定方法の開発を行っております。

担当科目

アグリビジネス論、農業政策論、生物産業科学経済演習

メール:skazuno(at)iwate-u.ac.jp

教員研究室の所在:2号館4階406号室

農産物・食品流通の動向分析及び産地のマーケティング戦略策定方法の開発

 日本の農業は多くの問題を抱えておりますが、その一つは川下の流通産業や加工食品産業とのマッチングを改善することです。このうち生鮮青果物の流通システムは、卸売段階における産地の農協と消費地の卸売市場を車の両輪としたいわゆる「卸売市場流通」が長らく主体となってきました。しかし青果物消費に占める加工品(カット野菜等を含む)の比率が半数を超えるとともに、小売段階においてはスーパーマーケットや外食・中食企業のシェアが拡大し、その定時・定量・定価格を求める調達行動によって、卸売市場内の取引方法の変化や市場外流通が顕在化してきました。このため生鮮青果物の流通システムには抜本的な変革が求められており、またこれに応じて産地の農協・農業生産法人には、従来の卸売市場に偏った委託販売を主体としたマーケティング戦略を改めることが要請されております。
 現在までに「卸売市場流通」の変化とそのメリット、デメリットについては整理されており、また市場外流通や産地における新たなマーケティングの取り組みに関する事例分析が積み重ねられています。
 そこで、現行の「卸売市場流通」と新たな市場外取引や市場を活用した新たな取引方法の比較分析を行うとともに、諸外国における生鮮青果物流通システムの動向分析を加えることにより、望ましい新たな生鮮青果物の流通システムを提起することを一つの課題としています。またこうした中で、産地の農協や農業生産法人のマーケティング戦略については、流通産業や加工食品産業のニーズに対応しつつ、他方で大規模化する流通・加工企業に対して価格交渉力を維持・強化できる組織体制のあり方を提起することをもう一つの課題としています。


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