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農業経営・経済学分野農学生命課程で唯一の社会科学的アプローチにより、農業問題や食料・環境問題に対して真正面から取り組み、広く生物産業の発展のための戦略を考えます。 准教授:木下 幸雄(きのした ゆきお)研究内容食料・農業・農村分野における社会科学的研究、農業のビジネス化・産業化、農業水利制度の国際比較を行っています。 担当科目農業経済学、農業経営学、生物産業科学経済演習 メール:kinop(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:2号館4階405号室 食料・農業・農村分野の諸問題に関わる社会科学的研究 農家に聞けば後継者不足と高齢化など農業労働力の脆弱化を強く感じ、田んぼを見れば耕作放棄地などが目に付くようになるなど、日本農業の衰退は深刻化しています。この研究室では、‘生物産業’と密接に関わる食料・農業・農村分野の諸問題についてより現実・実態に迫るためにフィールド調査を中心とした研究を展開しています。学問体系の機軸を農業経済学に置きながらも、食料分野では安全・安心な食料供給のシステム(フードシステム論)、農業生産分野では次世代に向けた農業経営のビジネス化(農業経営学)、農村分野においては農村地域資源のマネジメント(資源経済学)などその研究課題(と手法)は多岐にわたっています。 なかでも、農村地域資源のマネジメントに力を入れています。農業は自然資源に依存する産業であるため、土地や水などの資源管理問題は極めて重要であることは間違いありません。その中でも水資源については、今後、一層重要となると見られるでしょう。日本は水資源が豊富であるといわれるため水資源問題についての意識が高くはないかもしれませんが、世界に目を向けると水資源問題が深刻化していることに気づくでしょう。農業は多量に水を利用することが多いために水資源問題は農業分野において鋭く表れるようになり農業水利のマネジメントが問題となっている国は少なくないといえます。 実際、農業大国でありながら水資源の希少性が高いオーストラリアでは、農業水利のマネジメントの問題が社会問題化しており、「水利制度改革」にまで発展しています。国際比較の観点から、水利制度・水利政策主体・水利経済主体の三者の循環的関係の中で、徐々に変化を遂げている農業水利制度には多様性が存在し、そうした制度的多様性に基づいた農業水利マネジメントのあり方を追求していくことが今後の研究課題といえます。
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