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土壌学研究室研究室ホームページ土壌学研究室では、『土の健康』を考えます。土壌の機能維持や保全、そして荒廃・疲弊した土壌の修復のついての研究を行っています。 准教授:立石貴浩(たていし たかひろ)研究内容土壌中での微生物を介した養分動態や土壌微生物の有用機能の利用に関する研究を行っています。 担当科目土壌生化学、土壌環境微生物学 メール:ttateisi(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:4号館1階104号室 土壌微生物の機能や生態の解明と環境修復への応用 土壌は、植物が生育するための基盤であり、植物が生育する上で必要な養分や水分を供給する役割を持っています。また、動物遺体や植物の落葉・落枝などを分解する場でもあります。私はこのような土壌の機能の解明に関する研究を、生化学的、微生物学的、生態学的な視点から進めています。さらに、このような機能を荒廃地での環境修復に活かす技術開発も試みています。現在、養分が非常に少ない土壌(北上山地のノシバ群落、青森岩手産廃不法投棄サイト、津波被害を受けた農地など)や 養分が過剰に供給された土壌(家畜糞尿や窒素肥料がまかれた草地や森林など)での土壌-土壌微生物-植物間の養分動態の解析や、土壌微生物の持つ有用な機能を活用した荒廃土壌の修復と植生回復に関する研究を行っています。 北上山地の一部には、土壌や岩石がむき出しになった荒廃地が点在していますが、このような養分が乏しい土壌のもとでも植物が生育しています。このような植物は、土壌中の限られた窒素やリンといった養分資源を土壌微生物の作用(菌根菌や土壌微生物バイオマスの機能)を介して有効に利用するメカニズムを持っているものと思われ、これについて解明を進めています。この成果を、寒冷荒廃地での植生の早期回復や生態系保全、黒ボク土に含まれる未利用リン資源の活用に関する研究に応用しています。 近年、環境中への窒素化合物の過剰な流入が問題となっており、環境への負荷(N2Oの発生、NO3-やリン酸の河川水への流入など)が大きくなることが懸念されます。現在、森林土壌への過剰な窒素の流入が土壌微生物や菌根菌に及ぼす影響について調査しています。さらに、カビの仲間である高等菌類の生理・生態的特徴を利用して、家畜ふん尿に由来する過剰な窒素による環境負荷を軽減するようなバイオリアクティングシステムの構築を検討しています。
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