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研究室・教員一覧

実験動物学研究室

実験動物学は科学的・倫理的に適正な動物実験を追求し、それを成立させるための学問といえます。マウス、ラット等のげっ歯類をはじめとする広範な動物種が対象となります。実験動物の特性を明らかにするための解剖学・生理学、新しい実験動物を開発するための遺伝育種学・発生工学、健康な実験動物を維持するための疾病学といった広範な学問領域から構成される総合科学です。

教授:古市 達哉(ふるいち たつや)

研究内容

ヒトや動物の疾患を再現できるモデル動物を用い、疾患の病態メカニズムについて研究しています。

担当科目

実験動物学

メール:furuichi(at)iwate-u.ac.jp

教員研究室の所在:3号館4階420号室

モデル動物を利用して疾患の病態メカニズムを探る

1. 骨関節異常を示すENU誘発変異マウスの解析
 マウスへ化学変異原であるENUを投与することによって生殖細胞に点突然変異を誘発させ、遺伝子変異マウスを作製することができます。私たちは大規模ENU変異マウスライブラリーの中から骨格や関節に異常を呈するマウスを見つけ出し、連鎖解析という遺伝学的手法を用いて原因遺伝子を探しています。この研究を通して、ヒトの変形性関節症のモデル動物となり得るM451マウスを見つけ出し (図A)、GDF5という成長因子の機能を阻害する遺伝子変異が関節変性の引き金となることを示しました。一方、ヒトのトーランス型扁平椎異形成症の原因となる遺伝子変異を持つM856マウスを同定しました (図B)。この変異はCol2a1遺伝子内に存在し、変異遺伝子から作られるタンパク質が細胞外へ正常に分泌されずに著しい骨格異常が引き起こされることを示しました。ENU変異マウスの解析を通して、骨関節疾患の新規原因遺伝子の同定と病態解明を目指しています。

2. ノックアウトマウスを利用した病態メカニズムの解析
 SLC39A13は亜鉛の膜透過を媒介する亜鉛トランスポーターの一つです。Slc39a13遺伝子のノックアウト (KO)マウスを解析し、同マウスが成長遅延をはじめ、骨・歯・眼・皮膚等の硬組織および結合組織において広範な異常を呈することを発見しました。一方でSlc39a13 KOマウスと脊椎異形成型エーラスダンロス症候群というヒトの遺伝病の類似性に着目し、SLC39A13遺伝子の機能消失型変異が同疾患の原因となることを示しました。現在も他の亜鉛トランスポーターKOマウスの骨組織の解析を行っています。

准教授:山田 美鈴(やまだ みすず)

研究内容

生理化学的実験手法を用いて、環境変化に柔軟に対応する動物のホメオスタシス維持機構を明らかにします。

担当科目

動物生理化学・動物生理化学実習・動物組織学実習

メール

教員研究室の所在

低酸素応答に関わるサイトカインの発現制御機構

 体内恒常性の維持は、地球上に棲む生物にとって必要不可欠なものです。喉が乾けば水を飲み、お腹がすけば摂食するー私たちも無意識のうちにとっているこれらの恒常性維持のための行動は、体内の感知機構と制御機構の巧妙な連携により保たれています。私は、環境変化に応じて柔軟に対応する生物の恒常性維持機構に興味を持ち、特に生体内の感知機構と制御機構を結ぶ情報伝達物質であるホルモンやサイトカインの分泌機序に着目しています。その中で特に、酸素濃度変化を感知・制御する機構に関する研究を、貧血や低酸素に反応して造血促進するerythropoietin(EPO)の発現制御機構の解明を通して進めています。
 これまで、遺伝性腎疾患モデルマウスを用いて、EPOの産生制御機構について調べてきました。慢性腎疾患においては、腎機能低下に加えて貧血(腎性貧血:慢性的な全身性低酸素状態)が頻発し、Quality of Life の維持に重大な影響を与えていますが、その詳細な発症機序は長年にわたって未解明のままとなっています。私は、腎臓でのEPO産生細胞を同定し、腎性貧血の発症がEPO産生細胞の機能低下に起因するEPO産生不足であること、腎疾患モデルマウスでは肝臓でもEPOが代償的に産生されていることを明らかにしてきました。
 現在も引き続き、腎臓EPO産生細胞の低酸素に対する感受性の低下、および腎臓以外の臓器でのEPO産生機序について研究を展開しています。正常な情報伝達物質分泌機構がどのように保たれているのか、ミクロからマクロまで幅広い最先端研究手法を取り入れて、多面的に生命現象を解析していきたいと考えています。


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