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岩手大学農学部Faculty of Agriculture, Iwate University
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研究室・教員一覧

木質資源工学研究室

化石資源依存社会から脱却を目指すため、木質バイオマスのマテリアル利用技術について研究開発を行っています。

教授:関野 登(せきののぼる)

研究内容

木材や樹皮などの森林バイオマス資源についての建築材料などへの転換技術や燃料利用技術を研究しています。

担当科目

森林資源と人間生活、基礎木材工学、木材・木質材料学

メール:sekino(at)iwate-u.ac.jp

教員研究室の所在:2号館1階108号室

森林や都市の木質系残廃材を建築材料などに再生利用する技術

 私の専門は木質資源工学で、主な研究分野は間伐材・林地残材などの未利用資源および建築解体材などの廃木材の有効利用です。具体的には、木屑などから作る板材料(木質ボード)の製造技術を研究してきました。私がこの研究に着手した1980年当時、日本は大量生産・大量消費・大量廃棄の時代でした。しかし、90年代に入ると、欧米に遅れながら日本でも資源・環境問題が台頭し、私たちのような廃材利用系の研究分野が発展してきました。木質ボード産業界には、木材の有効利用を一層促進するとともに、品質向上や機能付与による新たな需要開拓が求められ、私自身の研究も耐久性能の向上技術や耐久性の評価手法にシフトしました。資源の有効利用を謳っても、短命な製品や環境負荷の大きな製造方法では意味がありません。そこで、高温高圧水蒸気処理による寸法安定性化技術や、接着剤無使用の木質系断熱材の開発を行ってきました。また、耐久性評価の手法開発も重要な課題であり、現在、日本木材学会の研究会プロジェクトとして実施中です。近い将来、木質ボードの耐久性評価手法が確立すれば、木造住宅の耐久性向上に役立つことが期待されます(写真上:木質ボードの屋外暴露試験)。一方、木質バイオマスは、近年、熱供給や発電といったエネルギー利用が益々期待されています。林地残材や製材工場での残材を上手に利用し、少しでも化石エネルギー依存を減らすことが重要です。その取り組みとして中小の製材工場で利用できる高含水率樹皮専用の小型ボイラー開発を産学官で連携して実施しました。また、今回の大震災のガレキ処理の一助として、廃木材からの“復興ボード”の生産・活用の支援(写真下:“復興ボード”を用いた仮設集会所の建設)や廃木材を地域熱供給エネルギー源の「呼び水」とし、それを今後の木質バイオマス社会構築につなげる取り組みに着手しました。以上のように、材料利用とエネルギー利用の両面から木質資源を活用することが私のライフワークとなりつつあります。木質資源は、管理と利用のバランスを取れば、持続可能な素晴らしい資源であり、“化石資源から木質資源へ”の動きは着実に進行しています。


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