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森林動態制御研究室研究室ホームページ森林の遷移パターン、特に人手を加えた場合の遷移の変化を明らかにするための研究をしています。 准教授:國崎 貴嗣(くにさきたかし)研究内容人手を加えた場合の森林の遷移(時間的変化)を研究しています。 担当科目森林計測学・森林計画学・生物統計学 メール:kunisaki(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:2号館4階415号室 森を構成する木の種類とサイズの組合せの謎 生物多様性に配慮した混交林の育成は世界共通の課題であり、日本では植栽による複層混交林の育成が集中的に研究されてきました。一方、植栽・天然更新併用による混交林の育成は、植栽方式に比べ、保育経費を削減可能と期待されるものの、こうした混交林に関する基礎情報は不足しています。 私は、御明神演習林において、育林履歴の類似した若齢スギ45林分について広葉樹の更新状況を調査しました。その結果、スギの平均成長と広葉樹本数密度との間に有意な負の相関が認められたものの、相関係数は低い値でした。さらに過去の空中写真と地形図より作成した林相図を分析した結果、広葉樹本数密度の違いには、スギの成長以外に前植生・周辺植生や地形が影響していると推測されました。しかし、前植生・周辺植生の林分構造は現時点では正確に再現できません。一方、地形は10〜100年単位で安定し、樹木の成長に必要な光、水、養分の空間分布を強く規定します。地形が林分構造に及ぼす影響は、同地域の二次林でも顕著ですから、スギ・広葉樹混交林の林分構造にも地形が強く影響することが予想されます。 そこで現在、育林履歴、前植生・周辺植生およびスギの平均成長が同一の若齢林分を対象に、スギ・広葉樹混交林の林分構造の空間的異質性に地形が及ぼす影響について研究を進めています。本研究により、地形に伴う林分の組成・構造の時空間的変異が定量的に解明され、寒冷積雪環境下のスギ人工林を針広混交林へ適切に誘導するための基礎知見が得られると期待されます。
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