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森林資源化学研究室研究室ホームページ樹木などの森林資源の成分を生かした活用法を検討しています。また、微生物による樹木成分の生分解機構についても研究しています。 准教授:小藤田 久義(こふじたひさよし)研究内容樹皮や木材などの森林バイオマス資源について、化学的性質と構成成分の利用方法を研究しています。 担当科目森林化学・森林バイオマスの成分利用・森林生化学 メール:kofujita(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:2号館2階207号室 森林系未利用資源の成分分析および有効利用法の開発 樹皮には、細胞壁の骨格を構成する多糖類およびリグニンの他、ワックス、テルペン、フェノール類、タンニンなど極めて多様な成分が含まれることが知られています。また、樹皮は樹木の最外層をなす生体防御組織としての性格を持ち、その成分中には数多くの生理活性作用を有する物質が存在します。本研究の目的は、このような樹皮成分を詳細に分析するとともに、その特徴を生かした有効な活用法を開発することにあります。 これまでの研究の過程では、本邦産の主要樹種であるスギ、カラマツおよびアカマツの樹皮について成分の全体分析法の見直しを行い、それぞれの主な組成が明らかにされました。引き続いて、樹皮抽出物の生理活性作用の探索をはじめとする詳細な検討を行いましたところ、スギ樹皮のヘキサン抽出物に強い抗菌活性が見いだされ、本抽出物から新規化合物を含む数種の活性物質が単離・構造決定されました。 針葉樹の樹皮は、バーク堆肥としての需要がある広葉樹の樹皮とは対照的に用途が少なく、現在では大部分が産業廃棄物として焼却処理されています。したがって、本研究は潜在的なバイオマス資源の用途開発につながるものといえるでしょう。今後、樹皮成分の有する生理活性を実用レベルで役立てることが可能になれば、その技術は森林資源の高付加価値化をもたらすものとして期待されます。
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