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研究室・教員一覧
樹木生態生理・造林学研究室樹木を健全に育成するために、樹木がどのように光・水・養分を利用し成長しているか?ということを研究しています。 助教:白旗 学(しらはた まなぶ)研究内容よりよい森林を育てるための手助けの方法を,環境に対する樹木の成長反応を通して研究しています。 担当科目樹木資源学,樹木の組織と形態・生理実習,森林造成学実習 メール:sirahata(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:2号館3階308号室 樹木の成長と光・水・養分利用、樹木の健全な育成 樹木は草本に比べて長い寿命を持ちサイズが巨大になるという生態的な特徴を持っており、この特徴が樹木を育成する際のあらゆる問題に係わってきます。樹木の活動は、樹木自身の成育段階によって周囲の環境要因とさまざまな相互作用関係を示します。彼らの長い一生の間、それぞれの成育段階における成長特性、すなわち資源利用特性を知ることは、適切な森林育成法を確立するうえで必要不可欠です。そのため、主力林業樹種である針葉樹、特にスギを中心に発芽レベルから成木レベルまで、さまざまなスケールで物質生産機構を生理生態学的手法によって調べています。 「野外条件下におけるスギ成木の樹冠光合成生産」 我が国の代表的な林業樹種として古くから育成されてきたスギ人工林では、昨今の労働力や木材価格の低迷などから結果的に長伐期化が進んでいますが、樹齢60年を超える成熟木・老齢木の成長特性についてのデータに乏しく、それらの成長特性に不明な点が数多く残されています。樹木の成長の源は、葉による光合成生産です。そこで樹齢80年程度のスギを対象に、個体がどのように葉を生産・維持しているか、また、現在までどのような経過をたどってきたか、ということを調べています。 「針葉樹実生苗の育成環境と光合成生産」 森林を更新させる際には、人工更新、天然更新いずれの場合でも苗木を新たに林地に成育させなければなりません。苗木が森林を形成する大きさに育つまで、明るさなどをどのように制御していけば良いのか、という部分に我々の手助けができる余地があります。そのためには、上木を伐採などして環境をかえた場合、苗木の成長にどのような影響が生じるか、ということを詳しく知る必要があります。そのため、光環境の変化が光合成系酵素であるRubisco、クロロフィルへの窒素配分におよぼす影響を栽培実験的に調べています。現在スギ人工林はほとんどが同齢単純林ですが、これらをより多様性の高い異齢林や多種針葉樹との混交林にしていく際の施業技術を考えていきたいと思っています。
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