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森林保全生態学研究室健全な森林を維持するために必要なことって何だろう?樹木と昆虫の関係から見えてくる森の不思議について研究しています! 講師:松木 佐和子(まつきさわこ)研究内容植物と植食者の関係に注目しながら、健全な森林を保全するための研究を行っています。 担当科目森林保全生態学、農林生物共生論、野生動物管理学実習 メール:matsuki(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:2号館2階206号室 植物とそれを食べる動物がうまくつきあえる森の仕組みを探るキーワード:植物と動物の相互作用、二次的植生、落葉広葉樹(特にカバノキ属)の被食防衛能力、昆虫の大発生、生物多様性の回復、開発地における自然再生 この研究室の大きなテーマは、「森林の健全性が維持されるために大切なこと」を明らかにすることです。森林には、生物多様性を支える母体としての役割、水や炭素、窒素といった無機物の循環を担う役割、汚染や災害を緩和する緩衝剤としての役割、人間を含む動物が利用するための資源としての役割など様々な役割が知られていますが、私の考える健全な森林とは、これらの役割を持続的に担える森林だと考えます。「森林の健全性」を示す一つの指標として、私が注目しているのは、植物とそれを食べる動物(植食者)です。なぜなら、植物をエサとして利用する動物達の挙動は、森林を構成する植物の種類、エサとしての質、また住処としての価値等を色濃く映し出すと考えられるからです。植物と植食者がバランスの取れた関係を保つために、植物や植食者自身はどのような工夫をしているのでしょうか? もう一つの大きなテーマは、人の営みが植物と植食者の相互作用に与える影響です。生物多様性国家戦略では、日本の生物多様性が現在直面している3つの危機が挙げられていますが、そのどれもが人間活動によって生じています。人間活動によって植生は変化し、それを反映する形で植食者の数や質なども変化していると考えられます。例えば、これまで起きることのなかった昆虫の大発生の陰では、知らず知らずのうちに私達人間が見過ごして来た森林の変化が起きているのかもしれません。一方で、開発行為により急激に改変された植生では、植物と動物のバランスが崩れているかもしれません。そんなアンバランスがなぜ生じたのか、どうすれば解消されるのかについて一つ一つ検証を重ね、その解決方法の糸口を生物が本来持っている能力の中から探って行きたいと思います。 この研究室が現在取り組んでいる主な研究課題 ・ 北海道のウダイカンバ林において食葉性昆虫(クスサン)の大発生が起きるメカニズム ・ 東北地方におけるクスサン大発生の発生リスク予測とその対策 ・カンバ類が開葉期に見せる特殊な防御手段とそれが食葉性昆虫に与える影響 猛禽類の狩場創出を目的とした鉱山堆積地の緑化事業
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