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獣医微生物学研究室微生物学は、微生物そのものおよび微生物による感染症を研究する事によって、生命現象の基本的原則を解明しようとする学問です。微生物が備えている基本的単純な構造と昨日についての研究から、分子生物学をはじめ生命科学分野における多くの重要な発見がなされたことは歴史的事実です。また、微生物学には、微生物が原因となる疾病を制御する指名も託されています。このように微生物学は基礎的な側面と応用的な広がりをもっており、両者が渾然一体となって発展してきました。21世紀は感染症の時代とも言われており、新たな感染症の出現やすでに制圧されたと考えられていた感染症の再来に遭遇しています。本研究室では、ゾーノシスをはじめ、この時代に先駆けた研究を展開させています。 教授:村上 賢二(むらかみ けんじ)研究内容1.ウイルス性疾病の原因ウイルスに関する流行調査研究 2.ウイルス感染症の感染伝播制御に関する研究 3.昆虫ウイルスタンパク質発現系を用いた生理活性物質の生産およびそれらを用いた感染制御に関する研究 担当科目微生物学、感染症学 メール:muraken(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:5号館2階 動物、特に牛、馬、山羊・羊などのウイルス性疾病について研究しています。 研究テーマは大きく分けて3つあります。1つめのウイルス性疾病の原因ウイルスに関する流行調査研究では、近年、特に急激に発生が増加している牛白血病について(図1)、ウイルスに感染している牛が日本にどのくらい存在するか抗体検査を実施しその感染状況を調べました(図2)。また、日本において18年ぶりに発生した法定家畜伝染病である馬伝染性貧血についてその病原体の性状解析や発生集団内における感染状況などを調べたところ、感染が確認された馬のウイルスは1960年代より以前に日本で発生していたものに類似で、それらが同じ馬群の中で感染を繰り返して保存されていたことがわかりました(図3)。 ウイルス感染症の感染伝播制御に関する研究では、牛白血病の原因ウイルスが未だ感染していない牛に感染しないよう、ウイルス量の多い牛を早期に発見しその牛と感染していない牛とを分けて飼養できる遺伝子診断法を開発しました。この方法は現在全国の家畜保健衛生所の獣医師に活用されています。また、牛ウイルス性下痢症の垂直感染を制御するため、ドラッグデリバリーシステムを用いたワクチンやDNAワクチンなどの新規ワクチンの開発にも取り組んでいます。 昆虫ウイルスタンパク質発現系を用いた生理活性物質の産生における研究では、抗ウイルス活性を示す牛のインターフェロンの発現系を開発し、発現したタンパク質を各種ウイルス性疾病に応用しその効果を調べています。
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