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研究室・教員一覧
滝沢農場本分野は、植物相、地形、社会的背景が総合的に異なる御明神演習林、滝沢演習林を背景に、実践的実習を通じて、高度な専門知識を身に付けた問題解決能力の高い人材を養成します。 准教:佐川 了(さがわ さとる)研究内容北東北における作物(水稲、マメ類)の生産性および品質向上のための栽培技術に関して研究しています 担当科目総合フィールド科学実習、農場実習、雑草防除論 メール:sagawa(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:滝沢農場 ダイズの多収と品質向上に関する栽培学的研究(1)ダイズの中・下位葉の光合成特性に関する研究 ダイズ10アールあたりの収量は約180キログラムであり、他の作物に比べて著しく低いものです。わが国のダイズの自給率はわずかに3〜4%と極めて不安定な状況にあります。ダイズは味噌、豆腐、納豆などの加工原料として食生活にとっては欠かせないものであり、その自給率の増加を図ることが急務とされています。そのためには、ダイズの収量水準を増大させることが重要となります。多収性品種の開発が第一義的に重要ですが、同時に栽培技術的対応の検討が急がれます。ダイズの葉群構造は上層に厚く、生育中、後期には群落の中層、下層への光の透過量が極端に低下します。同時に、生育の伸展に伴って中・下層葉は老化します。そのため群落中・下層における光合成速度が急激に低下することは明らかです。収量を増大させるためには開花期以降の個体群生長速度を高く維持することが重要とされています。開花期以降の中・下位葉の老化を抑制し、できるだけ生育後期まで葉群を維持することが収量の向上となります。中・下位葉の光合成特性を明らかにし、収量向上のための技術的対応を確立するべく研究を展開しています。
(2)火山灰土壌の水稲栽培における窒素肥効に関する研究、特にリン酸肥料との関係 火山灰土壌は一般的に有効態リン酸が不足しており、作物栽培においてリン酸の施用が多量に行われています。一方、窒素の施用も他の土壌と同様に行われてきました。附属農場水田の三要素試験の結果、窒素の肥効はリン酸の施用と極めて高い関係を持つことが明らかになりました。本研究は火山灰土壌水稲の生育収量に対する窒素の肥効をリン酸との関連で明らかにして、窒素、リン酸の適正施用量を検討しようとするものです。
助教:渡邉学(わたなべ まなぶ)研究内容リンゴとブルーベリーの栽培技術を改善するために、樹や果実の発育の仕組みについて研究しています 担当科目総合フィールド科学実習、農場実習 メール:mwata(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:7号館1階109号室 リンゴとブルーベリーの樹体や果実の生育調節東北地方を代表する果樹であるリンゴとブルーベリーについて、高品質な果実を低コストで安定的に生産できる栽培技術の開発を目的として研究を行っています。
(1)リンゴに関する研究(photo:渡邉学1.jpg) リンゴを含む果樹は永年生の作物であり、普通、一度定植したら、数十年間その場所で栽培管理を行います。したがって、果樹の樹形は、作業効率や生産性に大きく影響する要因となります。また、安定的な果実生産のためには、毎年多くの花を咲かせ、確実に果実を実らせる必要があります。しかし、リンゴの樹形や花芽形成、結実がどのように調節されているのかについては不明な点が多く残されています。そこで、私はこのようなリンゴの発育生理の仕組みを解明するため、主にリンゴの発育と植物ホルモンとの関係について研究を行っています。
(2)ブルーベリーに関する研究(photo:渡邉学2.jpg) 日本におけるブルーベリー栽培の歴史は浅く、これまで、十分な研究が行われてきたとは言えません。今後、ブルーベリー生産を拡大していくためには、ブルーベリーの生態や発育生理に関する情報をさらに蓄積する必要があります。特に、ブルーベリーは一つの果実が小さく、各果実の成熟期が揃わないため、収穫作業に多くの労力を必要とすることが問題となっており、収穫作業性の向上に繋がる果実の肥大や成熟を調節する栽培技術の開発が求められています。私が所属する滝沢農場では、約80品種、約400樹のブルーベリーが維持管理されており、この豊富な材料を活用して、栽培学および発育生理学的な面から上記の課題の解決に取り組んでいます。
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