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研究室・教員一覧
地域資源管理学研究室本分野は、植物相、地形、社会的背景が総合的に異なる御明神演習林、滝沢演習林を背景に、実践的実習を通じて、高度な専門知識を身に付けた問題解決能力の高い人材を養成します。 准教授:山本 信次(やまもと しんじ)研究内容都市と農山村の協働に基づく森林保全について社会科学的手法を用いて研究しています 担当科目総合フィールド科学、NPO論 メール:shinjiy(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:7号館1階110号室 多くの人々の参加と協働に基づく自然環境保全 これまで、地域資源管理に関わる政策や制度は中央集権的に定められ、地域の自然的・社会的な特性を無視した形で全国一律に、かつ「経済性」を唯一の尺度として形成されてきました。森林に的を絞れば、全国一律に進められ、かつ造林不適地にまで進行した「行き過ぎた人工造林化」がその「好例」ともいえます。こうした制度・政策の破綻が明らかになりつつある現在、地域資源の利用管理は「経済性」という唯一の尺度を離れ、生態系保全といった観点から「総合的」に行われなければなりません。また、そもそも地域資源の利用や管理は地域住民の生活や生産活動と密接に結びついたものであり、地域ごとの自然や社会的な特性に応じて「中央集権的」でなく「分権的」に行われる必要があるでしょう。
こうした観点から農山村集落を中心とした自主的な地域振興の取り組み(グリーンツーリズムなど)や住民参加型農村調査の実例に着目し、分析を行うと同時にでき得る限り、そのファシリテーター(促進者)として機能できるよう地域の方と協力体制を持つことを目指しています。
また、地域資源管理問題が実際に発現する「場」としては農山村が中心となりますが、森林や農地・河川などの地域資源は農山村における生産基盤や生活条件としての意味づけを持つだけではなくなりつつあります。すなわち、都市をも含んだ社会全体の財産、宇沢弘文のいう「社会的共通資本」としての位置づけを強めています。こうした観点から、今後重要となるのは都市と農山村の連携に基づく地域資源管理システムの構築であり、そうしたシステムづくりの基盤としての市民活動やNPOに関する研究、環境教育に関わる研究についても同時に進行させています。また、こうした問題を検討する際の地域の範域として、都市―農山村を含むユニット=流域に焦点を当てることが重要でしょう。
写真:都市住民による森林ボランティアの様子
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