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岩手大学農学部Faculty of Agriculture, Iwate University
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研究室・教員一覧

生物環境科学分野

 温暖化や気候変動に適応できる農業技術の確立や、地域の資源を活かした高品質・高付加価値の農作物栽培システムの実現を目指しています。そのために、温度やCO2濃度が植物に及ぼす作用の解明や、植物の環境応答を計測・制御する技術を研究しています。

准教授:松嶋 卯月(まつしま うずき)

研究内容

分光および各種放射線イメージングによる植物生体計測について研究しています。

担当科目

生物生体計測学、ものづくり実習、農業生産施設学

メール:uzuki(at)iwate-u.ac.jp

教員研究室の所在:2号室3階313号室

植物内の水を観る技術 −植物生体計測のススメ−

 農作物の生体計測とは、さまざまなセンサーを用いて野菜や作物などの生理的状態を観察し、得られた情報を農作物の栽培管理にフィードバックするための手法です。その中でも特に、世界的な水問題の解消を目指して、植物水分の状態をモニターすることでより効率的でより適した水管理を行う技術を研究・開発しています。しかし、水は植物の内部を通っているため直に目で見ることはできません。そこで、X線・紫外・可視・赤外域の電磁波、また、中性子などの粒子波を用い、目では見えない植物内部の水を観察します。
[非破壊で植物内部の水分布・水移動を観察する]
植物の水分生理を包括的に理解したり、生体情報を栽培管理に利用するには、観察の対象となる植物を傷つけずに水分布や水移動を可視化する必要があります。そこで、近赤外分光法や中性子イメージング法を用いて植物内部の水分布・水移動を観察する方法を開発しています。植物内部の水の流れを観察するには「トレーサー」が役に立ちます。トレーサーは、液体等の流れを追跡するための位置マーカーとなる微量な添加物質です。植物の水移動を観察するためのトレーサーとして重水(D2O)を選択しました。重水トレーサをトマト苗に与えると、重水が植物の中に取り込まれて茎を上がっていく様子を透過画像上の濃度変化で観察できます(図1)。また、トウモロコシの根に重水が取り込まれる様子も見ることができます(図2)。
[植物の水要求度を評価する]
植物がどの程度水を必要としているかの指標のひとつに水ポテンシャルがありますが、現在、その値を簡易に測定する方法はありません。もし、簡単な測定法が確立されれば、よりきめ細かく、かつ合理的な水管理が可能になります。そこで私たちは、簡易かつ安価で水ポテンシャルを測定する方法および装置を発案、開発しています。現在は蛍光試薬溶液が植物内に浸透する程度を比較することで、水ポテンシャルを推定する簡易装置を開発中です。
このように、目に見えない植物内の水の状態を観る研究は意外なことを発見することができ楽しいものです。これからも私たちは、農作物と水に関わる「目で見えないものを観る技術」を開発し続けて行きたいと考えています。
図1。トマト苗が重水トレーサを吸収する過程。青色が重水トレーサの位置を示す。
図2。トウモロコシの根が重水トレーサを吸収する過程。明るい色は重水の吸収によって中性子の透過度が変わった部分を示す。

准教授:庄野 浩資(しょうの ひろし)

研究内容

植物の生育状態を色や形状などの外観から計測する近接リモートセンシングに関する研究を行っています。

担当科目

環境物理学、生物産業科学実験I、植物栽培と環境テクノロジー

メール:shono(at)iwate-u.ac.jp

教員研究室の所在:1号館4階420号室

植物の生育状況を非破壊的に遠隔計測するための画像・分光計測手法の開発

 本研究は、作物の栽培管理においてさまざまな有効性が期待される葉群の形状や分光情報の効率的かつ実用的な計測手法を確立することを目的としています。形状計測の成果は、テクスチャ解析手法の葉群画像に対する有効性に注目し、これを積極的に活用した研究です。例えば、葉群画像から抽出したテクスチャ特徴量から、混播された各牧草の混生群落の草種割合を推定したり、トマト群落の葉傾斜角の三次元分布を計測することが可能となりました。
 さらに分光計測の研究では、エゾリンドウの花冠の分光反射特性が成熟ステージに伴って特徴的な変動を示す現象を発見しました。これらの分光情報は花の収穫適期や鮮度を判定する上で極めて有用です。ここで特に興味深いのは、開花期に紫外線領域で花冠が明るく輝く現象です。なぜ紫外線領域なのか、あるいはなぜ開花期に連動して光るのかなど、その生理的な機構や生態的な目的は不明で、現在も継続して研究中です。しかし、エゾリンドウは先の閉じた蕾状の花のため、受粉のためにはハチなどの昆虫を積極的に引きつけて中に誘導する必要があります。多くの昆虫には紫外線が見えるので、これらにアピールしているのかも知れません。下図の左はエゾリンドウの可視画像ですが、右は同じ花が紫外線に視覚のある昆虫にどの様に見えるかをシミュレートした画像です。少なくとも昆虫の眼には、人間とは全く異なる様に見えている様です。


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