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森林政策学研究室山村、森林を舞台とした持続可能な社会について研究しています。 准教授:伊藤幸男(いとうさちお)研究内容人間生活に不可欠な木材を持続的に生産・利用していくための森林管理と社会システムについて研究しています。 担当科目林業・木材産業論 メール:sachii(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:2号館4階410号室 森林管理のあり方と木材の生産・消費システム 私は主に東北地方を中心にした森林・林業について、社会・経済的側面から研究を行っています。日本が豊かになって行くにしたがい、林業や山村が活力を失うと共に、森林の手入れが行き届かなくなることで、本来森林がもつ様々な公益的な機能の発揮も難しくなってきています。このような問題を解決するために、今後地域がどのように取り組み、また必要とされる政策はどのようなものなのかについて研究しています。 この課題に取り組む上で重視していることのひとつは、世界経済との密接な関係とその影響です。日本経済が本格的に国際化し、企業は活動の場を世界中に展開しました。木材もまた世界中から輸入されるようになり、国産材は外材に圧倒されるようになりました。世界経済の動向が国内の林業生産にどのような影響を与えているのか、また背景が全く異なる海外の産地との競争することが地域にとってどのような意味を持つのかについて考える必要があります。 重視していることの2点目は、地域の林業や木材産業がどのような条件の下で成立しているのかということです。これまで国内の林業は、その舞台である山村地域の社会・経済のあり方によって特徴ある展開をしてきました。よって、林業の活性化や適切な森林管理を行っていく上では、林業という産業面からだけでは捉えられない、地域社会の歴史性に注目していく必要があります。 最後に、森林・林業を考えていく上で「環境」という側面が非常に重視されるようになってきました。森林と地域経済の持続性を同時に満たすことや、近年では地球温暖化に果たす森林の役割などが重視されてきています。環境保全型の木材生産を考えていく必要がありますが、私が特に注目しているのは木材の消費のあり方についてです。その試みのひとつとして、現在、岩手県で取り組んでいる木質バイオマス利用の普及・促進を手伝いながら、実践的な環境時代に対応した木材の生産と消費の社会・経済システムについて検討しています。
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