アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎(アトピー)とは
アトピー性皮膚炎(アトピー)とは、身の回りの物質が原因で皮膚にかゆみや炎症がおこる皮膚病です。
アトピーは、アレルギーの一種です。アトピーの原因となる物質(アレルゲン)は、症例によって異なります。アレルゲンとなる可能性があるのは、ダニ、植物、動物のフケなどです。
重度のアトピー性皮膚炎の犬
診断の方法
アトピーが疑われる場合、まず寄生虫症などアトピー以外の皮膚病の検査をします。なぜなら、アトピーは他の皮膚病と症状がよく似ているため、はじめにそれらを否定する必要があるのです。
アトピーである可能性が高いとわかれば、原因物質(アレルゲン)が何であるのかを特定するための検査が行なわれます。
そのひとつは、血液検査です。血液中にアレルギーの証拠となる成分(抗体)が増えているかを調べる検査で、結果がわかるまで数日から数週間かかります。
アトピーのもうひとつの検査は、皮内試験という検査です。これは、アレルゲンである可能性のある物質を皮膚に少量だけ注射して、過敏に反応するかを調べる検査です。
皮内試験の例
おなかの毛を刈り、十数種類の注射をします。
黒い点は、マジックペンによる印です。
治療法
基本は、シャンプーで皮膚を清潔に保つことです。
アトピーの治療には、大きく分けると
■かゆみや炎症をおさえるための治療(主にステロイド)
■免疫機能を調節し、アレルギー自体を軽減させる治療
(インターフェロン療法や、減感作療法)
の二つがあります。
岩手大学動物病院では、減感作療法も取り入れています。
減感作療法 減感作(げんかんさ)療法とは、アレルゲンを少しずつ体の中に入れることによって、長期的にアトピーの改善をはかる治療法です。かゆみの改善や、ステロイドのお薬への依存度を下げる効果が期待できます。 減感作療法で症状が改善する割合は、症例の約3分の2です。また、効果が出るまでの目安は3ヶ月です。 |
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詳しくは岩手大学動物病院までお問い合わせください。