作物学研究室

 イネを中心とした食用作物を対象に、高品質で生産性が高い作物やそれらの品種が備えるべき生理・生態・形態的特性とその遺伝的背景を明らかにするとともに、異常気象に負けない作物を育てるための基礎研究を行っています。

主な研究テーマ

イネの花
イネの花
 
直立穂型水稲と普及品種
直立穂型水稲と普及品種
 
田植え
田植
 
群落受光率の計測
群落受光率の計測

1.寒冷地に適した飼料イネ品種の特性解明と栽培技術の構築

 寒冷地でも生産性が高い飼料イネ品種を育成するための基礎研究を行っています。

2.直立穂型水稲と普及品種における穂の着粒構造の相違と収量性の比較

 最近育成された直立穂型水稲は、収穫期を迎えても穂が下垂することなくまっすぐ天空を向いています。収量に直結する籾の着き方や稔実のすすみ方の特徴を普及品種と比較し、直立穂型水稲の形態的特徴が収量性の向上に寄与するか、明らかにすることを目指しています。

3.稈長の異なる水稲の耐倒伏性に関与する稈の物理的性質の品種間差異

 背が高くても倒れない品種特性を明らかにすることにより、イネの乾物生産能力の向上を目指し研究しています。

4.大気中CO2濃度上昇に適応した作物品種の選抜とその機能解明

 将来予測される高濃度CO2環境に適した品種の特性を明らかにするとともに,それに関わる遺伝子領域の特定を目指し,世界の研究機関(フィリピンの国際イネ研究所,オーストラリアのメルボルン大学,アメリカ農務省など)と共同で研究を進めます.

5.光合成向上のためのC3・C4作物の大規模変異体選抜

 さらなる作物の生産性の向上には光合成速度を高めることが必須です.イネ(C3植物)やソルガム(C4植物)などの大規模な変異体集団から光合成が高まった変異体を選抜し,その機構解明を目指します.

6.エピジェネティック効果を用いた作物の環境ストレス耐性の向上

 地球温暖化にともない異常気象が頻発する中,イネをはじめとする作物の環境ストレス耐性をエピジェネティクス効果により高める手法の開発,またその機能解明を目指しています.エピジェネティクス効果を用いることで,従来の交配による育種を行わず,非常に短期間(1年以内)で高めることが可能になります.

作物学研究室ホームページ

教員からのメッセージ

教授 黒田栄喜 / 准教授 下野裕之

作物の生産力の向上を目指し研究しています。