温暖化や気候変動に適応できる農業技術の確立や、地域の資源を活かした高品質・高付加価値の農作物栽培システムの実現を目指しています。そのために、温度やCO2濃度が植物に及ぼす作用の解明や、植物の環境応答を計測・制御する技術を研究しています。
気温やCO2濃度、水分条件などの環境要因の変動が、作物の生長や収量に与える影響を調べ、どのような栽培技術が適切かを研究しています。
根を冷やすと植物は水分ストレスを受けます。このストレスを逆手にとって、トマトの糖度や栄養価を高める技術を開発しています。
植物の生育状態は、“外観的な形状”や“色”に敏感に反映されます。これらを詳細に計測することで植物体内の生理状況を的確に判断することを目指し、研究を進めております。
中性子およびX線イメージングは、比較的高解像度でありながら、広い視野で試料を観察できるという利点があります。そのため、農作物内における水等の物質移動を観察する上で力を発揮する方法と言えましょう。我々の研究分野では、両方法の農業分野への応用について研究を進めております。
生物の環境応答は意外なほど分かっておらず,極端な環境条件を組み合わせると、未知の現象がしばしば見つかります。根を冷やすとトマトが甘くなる技術もその成果の一つです。こうした現象の発見には、日々の観察と植物の健康状態の判断が重要です。植物の健康状態を計測する技術が発達すると“水加減はどうですか?”などと植物と対話しながら栽培する時代が来るかもしれません。植物と会話して、新しい発見をしてみませんか。