植物に病気を引き起こす病原ウイルスの基礎的研究、さらに、研究を発展させて農業や人間生活に役立つバイオテクノロジーをめざします。
リンゴやブルーベリーを中心に寒冷地果樹類に感染するウイルスを分離し、その構造や機能を解析しています。これらの研究をウイルス病の診断や防除に役立てます。
ウイルスを感染させることにより開花を促進して長期間かかる品種開発の短縮をめざす
植物ウイルスの感染に対して宿主植物は様々な抵抗反応を示します。一方、ウイルス側はその抵抗反応を抑えようとします。現在、このウイルスと宿主の相互作用について、“ウイルス感染とRNAサイレンシング”および“ウイルス感染と発熱”というテーマで研究しています。
ウイルス感染細胞の
電子顕微鏡写真
ウイルスを蛍光標識して
感染機構を解析
植物ウイルスの中には、全く病気を引き起こすことなく感染している(潜在感染性)ウイルスがたくさん見つかっています。私たちは、リンゴから分離した潜在感染性ウイルスを、遺伝子操作技術により、有用遺伝子を運ぶウイルスベクターに改変することに成功しました。現在、植物の開花に関連した遺伝子をウイルスベクターで発現させ、植物の開花を制御(促進)する研究に取り組んでいます。
ヒトと同様に植物もウイルスに感染します。そして、植物ウイルスは食料生産に甚大な被害を与えています。 当研究室では、植物ウイルス の基礎研究、さらにその研究成果を農業や人間生活に応用することを目指しています。 一緒にナノワールドの病原体である植物ウイルスの謎を解明しましょう!